キャンプで使われている石油ストーブはたくさんありますが、前回の記事で 5 つまでピックアップしました。
どれも個性があって魅力的なのですが、まずは始めの 1 台を決めたいと思います。
目次
石油ストーブ選択の条件を考える
今回、ピックアップした石油ストーブは次の 5 つになります。
- アラジン ブルーフレーム
- トヨトミ レインボー
- フジカ ハイペット
- アルパカ
- 武井バーナー 501a
それぞれ、大きさや暖める方式、燃焼時間、価格など検討項目がたくさんあるため、最初に選ぶための条件から考えようと思い、次の項目を挙げてみました。
- 価格
- 暖房の強さ
- 使い勝手
- 安全性
この観点から購入する製品を考えていきたいと思います。
考えた条件で比較してみる
価格
数十年ぶりのキャンプ、つまりキャンプデビューになりますので(しかも冬キャンプ)、最初に揃えなければならないものがたくさんあります。
スクリーンタープ、暖房器具、寝袋、etc ・・・
すぐに思いつく上のアイテムだけでも 1 つ数万円の価格になるので、暖房器具だけに大きく予算をかけられません。
ですので、まずは検討する上限価格を考えたいと思います。
上限価格の設定
かといって「価格を抑える」ことを優先して決めてしまうと「あと少し出せば快適に長く使えたのに」といった買い物になってしまうことも考えられます。
ですので、前回の記事でイメージが摑めた石油ストーブの価格帯から、検討する価格の上限を次の額に設定したいと思います。
上限価格:5 万円
石油ストーブに 5 万円の予算というのはちょっと高いかもしれませんが、快適に長く使いたいという気持ちがありますので思い切ってこの価格にしました。
また、近所のベテランキャンパーさんから教えていただいたのですが、暖房器具というのは以外と使う期間が長くて、秋・冬・春の 3 シーズンは活躍するとのこと。
3 シーズンも使うのであれば、やはり納得のいくものにしたいので選択の幅を広げました。
製品の選択( 1 機種を割愛、残り 4 機種)
5 万円という上限設定なので、武井バーナー 501a が対象外となります。
正直なところ、デザインもよく暖かさも強力で、さらに持っているだけで嬉しくなりそうな気がするのでとても名残惜しいのですが、今回は 7 万円という価格までは踏み切れませんでした。
残り 4 製品
- アラジン ブルーフレーム
- トヨトミ レインボー
- フジカ ハイペット
- アルパカ
でも、武井バーナー 501a いつかは手に入れたいです。
暖房の強さ
冬キャンプで暖を取ることが一番の目的なので、暖房の強さはとても重要です。
価格の次は暖かさで比較してみます。
製品による暖かさの違い
残っている 4 製品の暖房の強さですが、実際に使われている方々のブログを拝見すると、次の 2 とおりの評価が多いようです。
※ 右にいくほど暖かくなります
評価 A
トヨトミレインボー ≒ アラジンブルーフレーム < フジカハイペット ≒ アルパカ < 武井バーナー
評価 B
トヨトミレインボー ≒ アラジンブルーフレーム < フジカハイペット ≒ アルパカ ≒ 武井バーナー
フジカハイペットやアルパカより武井バーナーの方が暖かいという方と、それほど違いがないという方に分かれています。
暖かさの感じ方は人によっても違うし、ストーブの使い方や配置によっても変わってきますので、評価が分かれるのは自然かなと思います。
暖房方式による暖かさの違い
アラジンブルーフレームとトヨトミレインボーは自然対流式のストーブなので遠赤外線効果はなく、暖気は常に天井方向に向かいます。
ですので、炎が見えているストーブに手をかざしても暖かくありません。2 製品ともガラス管で遮られているために遠赤外線が吸収されてしまうとのこと*1。
この 2 つの製品を使うときにはサーキュレーターを併用すると効果的かもしれません。
フジカハイペットとアルパカは自然対流式に加えて遠赤外線効果もあるため、周囲も暖かくなります。加えて反射板付きモデルであれば、暖めたい方向に向けることができます。
*1 トヨトミからレインボーの姉妹機種でムーンライター(ML-25C)というストーブが発売されていたことがあり、こちらのガラス管は遠赤外線をとおす仕様になっているので周囲も暖かくなったそうです。
製品の選択( 2 機種を割愛、残り 2 機種)
冬キャンプで暖を取るというのが最重要になりますので、より暖まれそうなフジカハイペットとアルパカを残したいと思います。
残り 2 製品
- フジカハイペット
- アルパカ
アラジンブルーフレームの姿と青い炎は本当に魅力的なので、この製品もいつかは自宅で使いたいです(まだまだ買えませんが・・・)。
トヨトミのムーンライターもすごく気になったのですが、現時点( 2015 年 2 月)では販売されていないようです。
使い勝手
月に 1 〜 2 回のキャンプを予定していますので、使い勝手も気になるところです。同じように暖をとれるなら使いやすい方が嬉しいです。
フジカハイペットとアルパカは共通点が多い
よく似ている 2 製品
この 2 製品は本当によく似ています。
フジカ ハイペット( KSP-229-21C-J2R ) | アルパカ( TS-77 反射型) |
両方とも自然対流式に加えて遠赤外線効果もあります。点火もライターやマッチを使った手動点火、反射板付きモデルがあるのも同じです。
また 2 製品とも天板が大きいため、やかんや鍋を置くのに余裕がありそうです。
大きさはわずかにフジカハイペットの方が小さくなっていますが、持ち運びに関してもほとんど差はないと思います。
タンク容量の違い(フジカハイペットは 3.6 ℓ、アルパカは 6 ℓ )により燃焼持続時間はアルパカの方が 6 時間 〜 7 時間ほど長くなっていますが、フジカハイペットも 10 〜 12 時間は使えるので十分だと思います。
使い勝手でアルパカがいいなと思う点
アルパカは購入時にプラス ¥2,600 で純正ケースを買うことができます。
オートキャンプで持ち運ぶときや自宅での保管時ににすごく便利だと思います。
フジカハイペットはメーカーからはキャリングケースが出ていませんので、ベニヤ板で自作したり、コールマンのポップアップユーティリティボックスで代用する方もいらっしゃいます。
なかには四角いスツールにすっぽり入れて持ち運んでいる方も ・・・
アルパカという製品の使い勝手ではないのですが、苦労なくジャストサイズの純正ケースで持ち運びや保管ができるのでかなり使いやすいのではないかと思います。
製品の選択(ここは 2 製品で引き分け)
アルパカは純正ケースが楽に手には入って便利ということはありますが、製品自体の使い勝手に関してはほとんど差がないため、ここでは製品の選択はしないことにします。
安全性
フジカハイペットは日本仕様( PSC対応製品)、アルパカは韓国国内仕様となっています。
日本の石油ストーブは安全基準の適合条件が厳しくなっているため、転倒時に消化される機能や耐震自動消火装置がついています。
一方、現在( 2015/2/3 時点)販売されているアルパカはすべて韓国国内仕様ですので、転倒時消化機能や耐震自動消火装置が付いていません*2 。したがって、日本で使用する場合は野外専用(室内では使えない)になるようです。
キャンプという場面において、転倒時消化機能や耐震自動消火装置が必要かどうかということになりますが、転倒時消化機能は必要だと考えます。
キャンプサイトが砂利が多いとか、ほとんど土だけの場合ならいいのですが、乾燥した芝生の場合などは、万が一転倒したときには火が消えて欲しいからです。
以上から安全性という視点でみた場合、フジカハイペットの方がすぐれているといえます。
*2 アルパカも PSC マークの付いた TS-77SN-RD と製品を出していたようですが、転倒時の消化機能が不十分で自主回収になっており、2015 年 2 月時点では購入することはできないようです。
製品の選択(安全性を重視して最終決定しました)
暖かさを確保するというのは大事なことですが、ストーブの万が一の転倒で火災が起きてしまうということは絶対に避けなければなりません。
アルパカは使用されている方も多く、自分が気にしすぎるだけで実際の危険は少ないのかもしれませんが、できる範囲で少しでも火災のリスクを減らしておきたいと考えて
フジカハイペット
に決めました。
なお、ここでは決して「アルパカは危険」と言っているわけではありません。転倒時消化機能が付いている製品を選ぶことによってリスクを減らすという考え方で選びました。
フジカハイペットは次の 5 つの製品があります。
- 反射板無し ¥27,000
- 反射板付き ¥29,160
- 整流リング搭載(反射板無し)¥40,500
- 整流リング搭載(反射板付き)¥42,660
- 整流リング搭載+防風ガラス管装備 ¥59940
一番下の整流リング搭載+防風ガラス管装備の製品は最初の条件である 5 万円を超えてしまうので対象外です。
反射板付きは最初から選択しようと思っていましたが、整流リングをどうするか悩みました。
そこで、使われている方々のブログや参考サイト(整流リングの特許内容まで案内しているサイトがありました ^^; )を調べたところ、整流リング付きだと少し風に強くなるようでしたので、思い切って
整流リング搭載(反射板付き)
の製品にしました。
まとめ
ピックアップした 5 つの製品から
- 価格
- 暖房の強さ
- 使い勝手
- 安全性
という 4 つの観点で検討を進めたのですが、石油ストーブというのはどれも個性と魅力に溢れるものが多いことに気づきました。
そして、今はエアコンや石油ファンヒーター、ホットカーペットに床暖房と他の暖房器具に埋もれてしまいがちですが
灯油とマッチ(ライター)があれば暖を取ることができる
のは石油ストーブだけで、電気がなくても使えるという最大の強みがあります。
今回選んだフジカハイペットは石油ストーブとしてはかなり高いものになりましたが、キャンプ以外にも災害時や寒い時期のちょっとした屋外の作業でも使えるので、今後もずっと役に立ってくれると思います。
明日、さっそくフジカに電話して注文しようと思います ^^
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